クソザコ就活生による、クソザコ就活生のための日経新聞解読。朝刊の重要なトピックを紹介し、背景・用語をまとめていく。楽しんでいこうぜ。記事のチョイスは完全に独断。答えは書かない。疑問を書いていく。著作権が厳しいので、引用は少なめ。
2020年9月12日
LVMH、ティファニー買収撤回
[高級ブランド最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは、米ティファニーの買収を撤回。仏政府から買収計画の撤回を求められたとしている。ティファニーは猛反発し、義務を怠ったとしてLVMHを提訴した。]
ルイヴィトンもティファニーも私には全く関係ない世界の話だが、大きなお金が動く話題だし、背景にはアメリカとフランスの関係とコロナの影響という興味深い要因があるので取り上げた。
本来、LVMHはアメリカ宝飾品大手ティファニーを162億ドル(約1兆7200億円)という高額で買収する計画だった。ティファニーは収益力の低下に悩んでおり、LVMHの傘下に入ることで力をつけることを目指していた。しかし今回のコロナの影響を受けて、高級ブランドの売上は大幅に減少し、LVMHも他人事ではない。ティファニーの買収撤回を探る中で出てきたのが、フランス政府からの買収延期の要請だった。背景には、米国がフランスのデジタル課税に対抗して仏製品に報復関税を課すことになったという2国間の軋轢があるという。ただし、LVMHはこの報復関税と買収撤回の関係を明らかにしていない。
そもそもデジタル課税とは、IT企業の課税逃れに対応するために設けられた税金のこと。例えばAmazon、Googleといったアメリカの大手IT企業は巧みな手法で各国での課税を逃れており、これに対する反発が強くなっている。
www.motleyfool.co.jp実際、日本で1兆円をこえる売り上げを誇るAmazonも、驚くべきことにこれまで日本に税金を納めることなく事業を展開していた。しかし先日の日経解読でも取り上げたプラットフォーマーへの規制を意識して、法人税を納める方向に転換したようだ。
話を戻すと、このデジタル課税に対抗してアメリカはフランス製品に関税を課すことにした。これがティファニーの買収撤回に関係しているという見方があるのだ。庶民には関係のない高級ブランドの話も、読み込んでいくと身近なIT企業をめぐる問題や外交の問題が見えてくる。
三菱商事がインドネシアでスマートシティ
[三菱商事はインドネシアでスマートシティの開発に乗り出す。総事業費は2000億円、MaaSや都市OSといった次世代型の都市開発を実証し、日本での展開も視野に入れる。]
似たような言葉に「コンパクトシティ」というものもある。意味は違うので要チェック。
日本でもすでにスマートシティの開発が進んでいる。トヨタ自動車やNTTが中心となって、静岡県裾野市で「ウーブン・シティ」と呼ぶ実験開発都市をつくる計画だ。注目すべきは、「都市OS」や「MaaS」といったワードだ。いずれも今後のloT関連の技術として重要になってくる。
MaaS先進国としてよく挙げられるのが北欧フィンランド。
進まぬ教育現場への学習端末配備
[政府は小中学生に一人一台ずつ学習用端末を2021年度までに配備する計画だが、全国の自治体で8月までに配備を終えたのはたった2%だった。教育現場でのICT環境整備の遅れが目立つ。コロナの影響を受けて文科省は「GIGAスクール構想」を前倒ししたが、計画は順調には進んでいない。]
コロナで学校が休校になり、ICTを活用した教育の必要性が改めて認識された。この点に関して言えば、コロナは教育のICT化に肯定的に作用したわけだが、結果はついてきていない。むしろ、これまでのICT化のお粗末さが露見した形ではないか。
家庭でのCT環境が整っていない子どもへの対応は必須だ。誰でも教育にアクセスできるようになる一方で、デバイスや通信環境で教育格差が生じる可能性が大きい。すべての児童生徒に端末が行きわたることが大前提だ。
教育現場のICT環境の整備およびICT教育は非常に重要な課題だ。国民のデジタル技術リテラシーを向上することは、現代社会で欠かせない国策と言えるだろう。進化が速いIT技術についていくのは大変だが、日本はまず基礎から作り始める必要がある。私が小学生のころ、パソコンで作ったデータをフロッピーディスク(今では死語?)に保存していた記憶がある。時代遅れのITリテラシーを教えても意味はない。呑み込みが早い若者たちに、最先端の技術を扱う知識・経験を与えるべきだ。
ちなみに私が中学生のとき、「中学生は携帯電話を持つべきか」という命題がディスカッションのテーマになっていた。時代が変わって、今ではほとんどの中学生がスマホを持っており、もはや議論の余地はないように見える。振り返ると、「持つか持たないか」という二元論ではなく、「持つなら何に注意すべきか」とか、もう少し踏み込んだ議論をするべきだったのではないかと思う。
Go to トラベル、東京追加の最終判断へ
[東京でのコロナ感染拡大が収まりつつあるとして、政府はGo toトラベルキャンペーンに10月1日から東京を追加する方針だ。今月内に最終判断を下すとしている。]
1400万の人口と多くの観光地を抱える東京の追加は、観光業界からすると朗報だ。個人消費を大きく押し上げる効果があるとされる。一方で、ヒトの移動が激しくなれば感染拡大のリスクも高まり、再び修正を求められることになる。
医療と経済のどちらを優先するか、あるいはどう両立するかという課題が残る。検査体制の拡充など、感染拡大を防ぐ策と平行して観光業を支援する必要がある。いち就活生としては、ありがたい話だが。
そのほか
増えるオンラインのインターン
島根県でのオンラインインターンの取り組みが紹介されていた。学生としては移動の負担が省けるし、企業としても都市部の優秀な人材の確保がより容易になる。今後もオンライン形式のインターンは増加しそうだ。
商船三井、モーリシャス支援で基金創設
モーリシャスでタンカーが座礁して燃料油が流出した問題で、使用主の商船三井は基金を創設して支援を広げる。商船三井には法的責任はないが、社会的責任を果たすとしている。モーリシャスの環境汚染には胸が痛む。一方で、環境保全の技術などで日本の存在感を示す機会でもあるように思う。
今日はここまで。読んでくれてありがとう!