ビーバーの寺子屋

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クリストファー・ノーランしか勝たん!

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観てきました。TENET

私は根っからのクリストファー・ノーラン監督ファンです。ダークナイトを観たときにズキューンときました。それからメメントを見返して、やっぱりすごいと。

インセプションしかりインターステラーしかり、彼の映画では「時間」がキーワードになってくるものばかり。今回のTENETもまさに時間がテーマの作品でした。

正直言って、よく分からない。

一回見ただけで理解できる人はなかなかいないと思います。テンポが速くて、カットの切り替えもとてもメリハリがある。ゆえに序盤は断片的な情報しかスクリーンに写されず、話が掴めない。

ところが終盤にはすべてが繋がってくる。TENETは始めから読んでも終わりから読んでも同じ回文ですが、この映画自体が「時間の逆行」というテーマと同じように回文にような設定になっている感じがしました。

構造としてはメメントによく似ています。私がメメントを観たときはもう衝撃を受けまして、こんな斬新な映画があるんだなぁと感心したのを覚えています。今回はそれの強化版といった感じです。

TENETはよくわからないけど、面白い作品!!

理解は難しい。だから、感じるだけでいいんじゃないかな。そう思います。

時間の逆行やエントロピー反粒子といった難しい単語が出てきますが、すべて理解する必要はないと思います。理解しなくても、映像として圧倒的な面白さを伝えてくれますから。

あ、重低音がすごいので、ちゃんとIMAXの劇場で観た方がいいです。

クリストファー・ノーランしか勝たん

日本の映画って、クリストファー・ノーラン作品みたいなの少ないですよね。何というか、論理的で映像やプロットに含みがある作品があまりないような気がします。

日本のアニメが強いのもなんだか理解できます。実写映画が圧倒的にレベルが低いからかな、なんて。だって、日本で売れる映画って大抵は恋愛系かヒューマンドラマ感動系、TVスピンオフ系くらいではないでしょうか。ノーラン監督みたいなシリアスなSFとかアクション映画が少ない。

そりゃ、スタジオジブリ作品が売上高ランキングで圧倒するのもうなずけます。実写映画のレベルに比べたら、宮崎駿さんなどの才能が勝つのは明らかです。あるいは芸能界のしくみも影響しているのかもしれません。専業俳優よりはタレントやアイドルがキャスティングされる世界ですから。

結局、クリストファー・ノーラン監督しかないんですよね。SFチックで、それでいてリアリティのある映画見たいと思ったら。

予算の差なのかなぁと諦めモードですが、日本発のリアリティアクション映画に期待しています。

~しか勝たんという表現

ここからは全く関係ない話です。

最近、「~しか勝たん!」という表現を耳にすることがあります。今回は試しにタイトルに使ってみましたが、個人的には使ったことはありません(笑)

「Aしか勝たん!」という表現は、Aの圧倒的な優位性を示すものです。A以外のBやらCなんぞは眼中にないぞ、と。

「しか」という係助詞が良い仕事をしていますね。

興味深いですが、「しか」を「だけ」にすると意味が全く逆になりそうです。

a:「Aしか勝たん!」=Aが勝つ

b:「Aだけ勝たん!」=Aが負ける(=A以外が勝つ)

もちろん「しか」と「だけ」が持つ意味の差もありますが、注目すべきは文末の「ん」ではないでしょうか。

bでは打消しの「ぬ」と同じ意味で、音便になっています。「ない」のような意味です。では、aでの「ん」は何なのでしょうか。

実はaでの「ん」も打消しの意味だろうと思います。というのも、「しか」という係助詞は打消しの語とセットで使うものだからです。

ちょっと変ですが、「Aしか勝たない」と言う訳です。面白いのは、「しか~ない」という否定の表現を使うことで、逆に「Aだけが勝つことが出来る」という強い肯定の表現になることです。反対に、「Aしか負けん!」では、言葉通りAにとって否定的な意味ですね。捉えようによっては、「A以外のプレイヤーにとっては余裕で勝つことが出来る」という肯定の意味とも言えます。

ほかにも気になる点がたくさん。

「勝つ」という同時に打消しの「ない」をつけるなら、「勝てない」というのが普通な気がします。「不可能」の意味がついてしまいますが。本来の活用で正しいのは「勝たない」ですが、う~ん、あまり言わない表現です。

そもそも、「勝つ」とは何ぞやと。「優勝」なんてのも聞きますね。いっぱい疑問が浮かびます。また大学の図書館で調べてみようかな。