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【クソザコ就活生の日経解読】vol.9 日本の65歳以上の高齢者、人口の28.7%

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クソザコ就活生による、クソザコ就活生のための日経新聞解読。朝刊の重要なトピックを紹介し、背景・用語をまとめていく。楽しんでいこうぜ。記事のチョイスは完全に独断。答えは書かない。疑問を書いていく。著作権が厳しいので、引用は少なめ。

2020年9月20日

今日取り上げる記事は一つだけ。かなり重要なトピックです。

日本の65歳以上の高齢者、人口の28.7%

 [総務省の調査によると、65歳以上の人口は前年比30万人増の3617万人で、総人口の28.7%となった。共に過去最多を記録。世界201の国と地域の中で最も多く、第二次ベビーブーム世代が65歳以上になる2040年には35.3%になる予想だ。]

非常に衝撃的だが、一方で予想通りの結果となった。総人口は前年比で29万人減少したのに対し、高齢者の数は増えていくばかりだ。高齢化が進む背景にあるのはもちろん医療の発達があるが、少子化も重要なキーワードだ。高齢者の絶対数が増えていくのは問題なのではなく、その割合が増えていくことが問題なのである。

具体的には、経済成長社会保障の面で問題が生じることになる。高齢化と少子化により労働力人口が減少し、生産活動が抑えられ国内市場が縮小していく。市場の縮小は投資先としての価値も下がることを意味し、日本の経済的影響力は大幅に低下する。また、現在の制度では高齢者のくらしを支えるのは労働力人口にあたる人々だ。彼らの数的減少と生産活動の縮小は高齢者の社会保障問題に直結する。

2008年に日本の総人口はピークに達し、1億2,808万人を記録した。それ以降は減少していき、2060年には8600万人程度まで減少していくとされる。21世紀の初めに生まれた私たちが今後人口の増加をみることは事実上ありえないと言う訳だ。この国から単純に4000万人ほどの規模の人口が減っていく社会を目の当たりにして生きていくことになる。

何よりも重要なのは、少子化対策である。これは短期的に結果がでるものではないが、取り組まなければ必ずツケが回ってくる。最近では不妊治療に対する保険適用などが議論されているが、かなり強力な政策を打たない限りこの厳しい状況は打破できないだろう。

世界的にみても珍しい人口減少を経験するわけだが、実際にどんな社会になるのか考えておく必要がありそうだ。(海外でいえば、中国は日本と比べ物にならない規模で高齢化が進むとされる)

人口減少により、この国の国土の活用法の転換が求められるだろう。おそらくいま限界集落と呼ばれている田舎の農村の多くは消滅する。その分、都市人口が増えるかもしれない。しかし最近やっとコロナの影響とテレワークの普及で都市からの人口転出が話題になり始めた動きとどうせめぎあうのだろうか。田舎の魅力が再発見される可能性も十分ある。

都市部でも、例えばインフラの整備面で変化が起こるかもしれない。設計はより高齢者向けになり、前述した都市人口の増減の行方によってはインフラそのものが不足あるいは過剰になるだろう。

国内市場は間違いなく高齢者向けのものになる。人口の30%を超える層をターゲットにマーケティングすることがもっと主流になるだろう。そうなると不安なのが、若者との世代間のギャップが一層広がってしまうことだ。若者は(このままでは)圧倒的なマイノリティとなり、市場や政治での存在感は薄くなっていく。

ただ、この少子高齢化の波を無事に乗り切ることができれば(そのころには私も高齢者の仲間入りを果たしているが)、年齢層による人口のバラツキは解消され、言いようによっては「新陳代謝」がなされるのではないだろうか。ただしそのころには世界第3位の経済大国だった日本は昔話の中でしか語られないだろうし、より小さな、慎ましい島国になっているだろう。

もし人口減少のあとも経済大国でい続けたいのなら、構造改革が必須だ。日本は製造業を中心に発展してきたが、国内市場は縮小の一途をたどり労働力自体もいなくなる。オートメーションを進めるほか、製造業中心の経済の在り方を、より高付加価値な商品・サービスをあつかう形へ変えなくてはならないかもしれない。

製造業が勝つためには海外市場への進出が求められる。今後どの地域が人口が増加し、成長していくのかを見極め、ピンポイントでマーケティングを行う必要がある。国内市場はもう成長の余地はない。

少し悲観的になってしまいそうだが、この国がどんな変化をたどるのか楽しみです。